振替加算って何?

2022年5月4日


 

先日、五十嵐さんという方からお電話がありました。
「澤木さんが勧められた本を読んで、30万円もうかっちゃいました」とおっしゃるのです。
私が勧めたのは、週刊朝日MOOK(2022年3月20日発行)「人生100年老後資金 年金大改正」という本でした。
五十嵐さんは、自身の勉強のため、すみずみまで一生懸命読んだそうです。
「68ページに記載されている『振替加算』という記事を読んで、年上の妻にこんな年金がもらえるんだということを初めて知りました。早速、年金事務所に行って手続きしたら、一時金37万円もらっちゃいました。さらにこれから毎年7万4千円もらえるんですよ。家内はこれから20年は生きるでしょうから、合計148万円ももらえるんですよ」と大喜びです。

五十嵐さんがおっしゃっている「振替加算」って何でしょう?
厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある夫が、65歳到達時点で、その夫に生計を維持されている配偶者(妻)または18歳未満の子がいるときに、夫の年金に「加給年金額」というもの(年額約39万円)が加算されます。
加給年金額の対象になっている配偶者(妻)が65歳になると、それまで夫に支給されていた加給年金額が打ち切られ、妻自身の老齢基礎年金に加算されます。これを振替加算といいます。ただし、妻が年上の場合、この加給年金額は支給されません。
加給年金額は支給されませんが、「振替加算」は加算されるのです。実は、そのことを知らない人が多いのです。振替加算は、自身で請求しないともらえないため、多くの人がもらいそこねているのです。
週刊朝日MOOK68ページに、そのことが記載されているのです。それを読んだ五十嵐さんは、早速年金事務所に問い合わせたところ、「奥様に振替加算が支給されますよ」との回答を得たのです。
五十嵐さんの奥様はすでに70歳。振替加算は65歳からもらえますので、過去5年分で37万円もらえた、というのです。
「ボーナス100万円を元に株に投資して、今や「億りびと」という投資成功物語はたまに聞きますが、「1000円の本を買って百数万円ゲットした」という話は、あまり聞いたことがないと思います。
株の投資は確実にもうかるものではありませんが、年金の仕組みや税金の仕組みをよく勉強していれば、確実に知的な報酬が返ってきます。
「イチかバチかの投資にお金と時間をかける」のではなく、五十嵐さんのように「知識を得てお金を地道にゲットする」ことを心がけてみてはいかがでしょうか?