これでいいのか最低賃金

これでいいのか最低賃金

2021年7月22日

2021年度の最低賃金(時給)については、中央最低賃金審議会(厚労相の諮問機関)が全国平均で28円引き上げて930円とする目安を決定。東京都も、28円引き上げて1,041円とすることを、東京地方最低賃金審議会が認めた。
過去最大の引き上げ幅について、菅首相は「引き上げによるコスト増を十分に踏まえ、事業存続と雇用維持に向けて丁寧に支援していく」と表明した。

2021年度の最低賃金は、全国平均で28円アップしたことが新聞やTVニュースで報じられました。過去最大の上げ幅です。

「こんなに上げていいのか」と反発するのは経営側。
日本商工会議所など中小企業3団体は「大幅な引き上げは極めて残念で到底納得できない」とするコメントを発表した、とのことです。
コロナ禍で苦しむ飲食店の経営者や中小企業の社長さんは、
「こんなに最低賃金を上げられたら、人件費がかさんで経営危機になるよ」
と嘆いていると思います。

韓国では、文在寅大統領が労働者の生活向上を思って、最低賃金を大幅に引き上げました。その結果、人件費の高騰に苦しむ経営者が続出し、労働者の雇用を抑制するという選択を迫られたそうです。

日本でも、これだけ大幅な人件費アップが現実になると、苦しむ経営者が続出し、パートさんなどを雇止めにする可能性が高くなることが予想されます。
「パートさんのため」と考えてめざした「最低賃金の大幅アップ」も、逆に「パートさんの雇止め」とか「パートさんの雇用抑制」になりかねません。

一方で、人並みな生活を送るためには、最低22万円(月額)必要と仮定するなら、時給は1,250円にしなくてはならない、という試算もあります。最低賃金930円では、到底足りないということなります。

ならば、どうすればいいか?
答えは簡単です。
我々消費者が、お店の提供する商品・サービスの付加価値を認めて、もっと高い価格で購入することです。

最近、こんな便利な商品がこんな安い価格で買えるのはおかしいと思うことがあります。サービスもそうです。肩こりを解消するためにマッサージを受けると1時間4,000円で済んでしまいます。「店舗の家賃も高額なのにこんな安い価格でいいの?」と思うことがあります。
家電や家具でもずいぶん安く買えるものだ、と思います。洋服も同様です。
海外で生産しているので、安いのでしょうが、国内で作って雇用を創出すればいいのに、と思うことがあります。我々消費者は、もっと高い価格で国産のものを買えば、日本の最低賃金も上げることができると思うのですが、いかがでしょうか?

この私の提案は、きっと誰も賛同しないでしょうね。みんな少しでも安く商品を買い、サービスを受けたいでしょうから。

中央最低賃金審議会の会長さんは、労使双方の意見を聴いて調整を図ることが仕事とは思いますが、両者の納得を得ることにそうとうストレスがあるのではないでしょうか?

お察し申し上げます。