「人の話は、ただ聞けばいい」という本を読みました

Just listen to what people say

「人の話は、ただ聞けばいい」
知人が「人の話は、ただ聞けばいい」という本を昨年末に出版しました。

石川有生(ともみん)さんという若い牧師さんです。
教会に来てもらって相談にのるのではなく、ともみんさん自身が会いに行くので「会いに行く牧師」と呼ばれています。

この仕事を始めて4年がたつそうですが、はじめは失敗もあったそうです。
相談にのるとき、困りごとの解決策を考えてしまって、話を聞くことに集中できなかったという反省があったそうです。
相談に来た人に何か気の利いた解決策を提案しなくてはならないと考えるのではなく、解決策を提案しなくてもいいと考えると、相談者の話に集中できるそうです。
つまり、相談者は話を聞いてくれるだけでいいということがわかったそうです。

私たちは、相談を受けるとき、いつも困っている人を助けたいと思うあまり、とにかく早く解決策を考えて提案してしまいます。
しかし、その提案は、必ずしも相談者の困っていることへの解決策にはならないのです。
冷静に考えると当たり前の話ですね。

8年ほど前まで、家内は献身的に私の母の介護を担っていました。
しかし。家内から母のことでときどき愚痴をこぼされたことがありました。
「じゃあ、母との同居をやめる?」と聞くと、いつもきまって「そういうことを言っているんじゃないの。話を聞いてほしいだけなの」と言われてしまうのです。
その母も、8年前に101歳で他界しました。