厚生労働省は、2024年7月3日、公的年金制度の中長期的な見通しを示す「財政検証」の結果を発表しました。
財政検証は、年金制度が持続可能かについて、5年に1回点検する仕組みです。年金制度の定期健康診断と言われています。
今回は、4つの経済シナリオを示し、それぞれのパターンで年金水準がどの程度減るのかを検証しています。
4つの経済シナリオとは、①高成長ケース、②成長ケース、➂横ばいケース、➃マイナス成長ケースです。
少子高齢化の中、いずれも厳しい状況ですが、5年前の財政検証と比較して、将来の年金水準がいくぶん改善される結果となりました。
今回、将来の年金水準がいくぶん改善される結果となった要因は、高齢者や女性の就業率が向上したためです。
将来の年金額が減ることを心配している人が多いようですが、過度な心配は不要という結果です。と言っても、楽観できる状況ではなさそうです。
私は、将来の年金が不安という人にはいくつかの対策をとればいいのかなと思っています。
対策の1つ目は、定年後も長く働くことです。長く働けば年金額も増えます。今もしもパート・アルバイトで働いているのであれば、106万円の壁や130万円の壁を超えて働くことです。壁を超えて働いて厚生年金に加入すると将来の年金額も増えます。
対策の2つ目は、iDeCoやNISAなどの私的年金制度を活用して、公的年金以外の年金額を増やすことです。
新しいNISAが、2024年1月に始まりました。主には「つみたて投資枠」を活用して、「分散投資」「長期投資」「つみたて投資」という「投資の3原則」を堅実に続ければ、老後資金を確保できます。
「もっと楽な方法はないか?」という質問をうけますが、楽な方法はないと思います。
地道に勉強して資産を増やす、無理せず長く働くことでしか、解決策はないと考えています。
どうせ勉強するなら、どうせ働くなら楽しく勉強し、楽しく働くことができれば幸福になります。
少子高齢化の中では、国に何とかしてくれと言っても何とかしてくれないと思います。
少子高齢化の流れを止めることができればよいのですが・・・
生まれてくる子どもが多くなれば、将来年金の支え手になってくれますので、年金額は増えます。
「2024年財政検証」が公表されました
2024年7月8日