70歳まで働きたいですか?

70歳まで働きたいですか?

朝日新聞「70歳まで働きたいですか?」の取材に協力しました

(2019年7月6日付け朝刊)

朝日新聞

朝日新聞be取材班は、朝日新聞読者に対し「70歳まで働きたいですか?」というアンケートを実施しました。

「希望する人が70歳まで働ける機会を確保するように」と、政府が企業に努力義務を課す方針を打ち出したことが背景にあります。

アンケート結果は、「はい」と回答した人が40%。「いいえ」と回答した人が60%でした。(回答者は1748名)

みなさんは、このアンケート結果を見てどのように思われますか?

私は「想定外」と感じました。なぜなら、内閣府で同じような調査を行うと、「65歳以後も働きたい」と回答する人は67%にもなるからです。

つまり、政府が調査する方が、「高齢になっても働きたい」と思っている人が多いのです。

政府が行うアンケートの調査対象と、朝日新聞が行うアンケートの調査対象がまったく異なっているためにこのような違いが生まれるのかと思いますが、どうしてこのような違いが生まれるのか、その正確な理由はもちろんわかりません。

朝日新聞の調査対象の方が本音で回答しているかもしれません。

担当記者からコメントを求められた私の回答は次のとおりです。

「日本は、年金だけでは暮らせない国です。『70まで働かなければならない』と考えるとゆううつですが、『70まで働ける』と考えれば気が楽になります。働いていると、孤独にはなりません。友人も増え、お金に余裕も生まれます」

担当記者は、私の回答が意に沿わない様子だったので、コメントは載せないのかなと思っていましたが、きちんと載せてくれました。その厚意に感謝したいと思います。

みなさんは、私の回答をどのように思われますか?

定年後に働くことなく、年金だけで暮らせるようにするためには、現役世代が払う年金の保険料をもっと上げなければなりません。いま厚生年金保険料は、給料の約9%です。年収が500万円であれば、厚生年金の保険料は年間約45万円です。これをもっと上げるか、消費税をもっと上げれば、70歳まで働かなくても年金だけで暮らせるかもしれません。

しかし、年金の保険料や消費税を上げると、現役世代の生活が厳しくなってしまい、消費が落ち込んでしまいます。それにより景気が落ち込んでしまいます。

これを避けるためには、年金額を上げずに高齢者にがんばって働いてもらった方が現役世代は助かります。

高齢者は、どうせ働くのなら、イヤイヤ働くのではなく、楽しく働いた方が認知症予防にもなりますし、何より夫婦の距離が一定以上に保つことができます。

みなさんはどう思われますか?