「いのちの停車場」という映画を観てきました。
救急医療を担う大病院から、小さな診療所の訪問診療医に転身した62歳の女性医師の物語です。この女性医師を吉永小百合さんが演じています。
「老々介護」や「終末期医療」、「積極的安楽死」といった現代医療制度の問題点やタブーに向き合い、医師や患者およびその家族の姿を描いている映画です。
映画そのものも感動したのですが、実は、原作者の南杏子さんの生き方にも深く感動しました。
南杏子さんは、現役のお医者さんであり、小説家でもあります。
NHKテレビの「あさイチ」という番組に出演して、「なぜ医者になったのか?」「なぜ小説家になったのか?」について語ってくださいました。
南杏子さんは大学生のとき就職活動で3社の面接試験を受け、いずれも不採用になったというのです。あんなに穏やかで、聡明そうな女性がなぜ3社も不採用になったのか?
私も、会社員時代に人事部で社員採用の仕事をしていましたが、私だったら不採用にはしないと思いました。しかし、その当時の人事担当者には、何かしら不採用にしなければならない事情があったのでしょう。おそらく私も、何人も不採用にしてしまったというミスジャッジがあったかもしれません。
ドラフトで6位指名だった掛布雅之さんが、阪神の黄金時代をつくりました。
ブルペン捕手として採用された野村克也さんが、戦後初の三冠王となり、現役引退後名監督になりました。
若い時の悔しかったことがバネになり、長年の人生の中で成功を収めた人はたくさんいます。
しかし、最近のテレビや新聞では引きこもりになった人が61万人にも上るという報告があります。(40歳から64歳)
若いころにこころをいためるような経験が引きこもりにつながっているとは思いますが、たいへん残念なことです。
南杏子さんは、就職活動は思うようにいかなかったかもしれませんが、その後の人生で輝かしい足跡をたどりました。この原動力は何だったのでしょう?
南杏子さんは、勉強が大好きだと言っていました。勉強が楽しいそうです。
勉強が好きということだけでも、人生が豊かになるということを南杏子さんが証明してくれています。
いま現役の会社員の人も、定年後の生きがい探しをしている人も、「勉強が好きになる」をキーワードに人生設計すると、人生設計100年時代の長い人生を充実した人生にすることができるのではないかと思います。
「勉強が好き」になると、65歳以後に大学などで歴史や文学を学ぶ楽しさを味わうこともできます。
「勉強が好き」になると、資格を取得して、社会に役立つ人生を歩むことができます。
「勉強が好き」になると、趣味も充実してきます。
さあ、一歩踏み出してみましょう。