<日経新聞「基礎年金、満額に足りない」の取材に協力しました>
(2021月4月17日付け朝刊)
日経新聞「基礎年金、満額に足りない」の取材に協力しました
(2021月4月17日付け朝刊)
日経新聞の土曜日の「マネーの学び」という欄を担当する土井記者の取材に協力しました。
国民年金から支給される「老齢基礎年金」の額が、高卒の人より大卒の人が少ない、という問題についてです。
実は、国民年金から支給される「老齢基礎年金」の額は、国民年金の保険料を納めた月数で計算されるのです。それも、20歳以降60歳になるまでの40年間でどのくらい納めたかで計算されるのです。
高卒の人は、18歳で入社して60歳まで国民年金保険料を納めているので、老齢基礎年金の額は、
780,900円×480月/480月=780,900円
になりますが、大卒の人は、通常22歳で入社するので、2年くらい国民年金の保険料を納めていません。したがって国民年金から支給される老齢基礎年金の額は、
780,900円×456月/480月=741,855円
となり、高卒の人に比べて約3万9,000円(年額)少なくなります。
これを補う方法として2つの方法があります。
一つ目は、「60歳以後、国民年金に任意加入して国民年金の保険料を納める方法」です。
20歳から22歳までの2年分の国民年金保険料を納めると、2年分の約3万9,000円を挽回することができるのです。
二つ目は、「60歳以後も厚生年金に加入して働く方法」です。
60歳以後も働き続けることによって、老齢厚生年金に「経過的加算」というものがプラスされるのです。
仮に、60歳以後も厚生年金に加入して働くと、2年間で
1628円×24月=約3万9,000円
を補うことができるのです。
こちらの方法でも、約3万9,000円を挽回することができるのです。
令和3年4月現在で、概ね50歳を超えている大卒の人は、上記のような対策が必要ですが、概ね50歳未満の大卒の人は必要ありません。
なぜなら、概ね50歳未満の大卒の人は、20歳から国民年金に強制加入して、国民年金の保険料を納めているからです。
実は、平成3年4月以降は、学生といえども20歳以降は強制加入になったのです。
老後の生活費の中心になる年金ですから、上記の2つの方法のうち一つを利用して、年金額を少しでも多くしていただきたくとよいと思います。
「60歳以後、国民年金に任意加入して国民年金の保険料を納める方法」に加えて、さらに「付加保険料(400円)」も納めていただくことを、お勧めしています。「付加保険料」も納めると、さらに老齢基礎年金の額は多くなります。
付加保険料を2年納めると(9,800円)、老齢基礎年金は、
200円×24月=4,800円(年額)増えるのです。
ということは、2年受給すると元が取れることになります。
老齢基礎年金は終身支給されますので、長生きするとたいへんお得になるのです。
年金は長生きのリスクに備えるものです。ぜひトライしてみてください。