<週刊朝日「退職金『年金』でもらうか『一時金』でもらうか」の取材に協力しました>
(2020月12月11日付け朝刊)
退職金を年金でもらったり、一時金でもらったりできる会社があります。
仮に2,000万円の退職金をもらう場合、1,000万円を一時金でもらい、残り1,000万円を年金でもらうことができる会社があるのです。もちろん2,000万円を全額で受取ることも可能です。
一時金でもらう場合のメリットと年金でもらう場合のメリットは、下表のとおりです。
一時金でもらう場合のメリット | 年金でもらう場合のメリット |
・住宅ローンの返済やクルマ等の購入費用にあてることができる ・孫の教育資金等にあてることができる ・税金が少なくて済む可能性がある |
・給料感覚で使うことができる ・多額の一時金をもらって無計画に使ってしまわなくて済む ・一時金の額を総額で上回る可能性がある |
これらを比較検討して決めればいいのですが、社員のみなさんは皆迷うのです。
税金や社会保険料などの負担面で見ると、一時金でもらった場合の方が有利になる可能性は高いのですが、私はできれば「年金でもらうこと」を勧めています。
なぜなら、高額の一時金をもらうと目がくらんで、孫に大盤振る舞いしたり、リスクの高い金融商品に手を出して、増やすつもりの退職金を減らしてしまう人がいるからです。
年金でもらえば、給料感覚で使えますし、無駄使いをすることもなくなります。受給総額も一時金に比べたら高額になります。
しかし、「一時金でもらうこと」を勧めるファイナンシャルプランナーも多くいます。なぜなら、年金でもらうと各年の収入が増え、税金や社会保険料が増えるので、可処分所得が減るからというのです。こちらも一理あります。
結論は、「将来のライフプラン」をどう考えるかで決めることになります。
まずは、定年後どんな生活を送りたいのか、じっくりと考えた上で決めていただくとよいという結論になります。